SOUL EATER book2
□プリズム
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じとりとかいた汗が滲んで、つうっと額を流れて落ちる。
ジッと見つめる眼の先にはキレイな青の瞳。
青の中に映る私は不思議そうな目で私に見とれていて、なんで私はこの青に見入っているのだろうとふと我に返る。
「マカ」
低く呟かれた声にハッとして、瞳の中の世界から帰ってくる。
少し離れてブラック☆スターの顔を見ると、眉をひそめて訝しげな表情で私を見ていた。
「……ごめん」
「…目のゴミ取れた?」
「見失った」
「何やってんだよ」
呆れたようにそう言うと、ゴシゴシとブラック☆スターが目をこする。
あまり強くこすると駄目だよ、と言ってもブラック☆スターは一向に止める気配はなくて、
ブラック☆スターの腕を掴んで無理矢理に動作をやめさせる。
「光が、」
慌てて口をついて出た言葉に自分で驚いて、口をつぐむ。
止めてしまった言葉の先を聞こうと、ブラック☆スターが小さな声で聞き返す。
その声はとてもとても低くて、私は思わず目を細めて、再度その低音を聞きたくて
「光が、消えちゃう」
私が何を言ってるのかわからないと思うけど。だってあなたからは見ることのできない世界だったから、知らないと思うけど。
その青の瞳の中に広がる世界の中で瞬く光がどんなに綺麗であるかあなたは知らないと思うけど。
「意味わかんねーよ」と紡がれた声はやっぱり憎らしい程に心地よい低音で。
プリズム