SOUL EATER book2
□違反切符
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「好きなものは好きなんだから仕方ないでしょ」
ずらずらとブラック☆スターがとりとめのないことを喋りだすので。
いい加減この話にケリをつけたくて、一言そう伝えると彼はお喋りな口を閉ざして黙りこくる。
「………っだから、…あのなァ」
ボリボリと頭を乱暴に引っかき、俯いた顔は上がることなく。
その先の言葉が紡がれることもなく。
いい加減に腹を決めなさいよ、とブラック☆スターのスネを蹴り上げる。
いてぇとも返ってこないということは返答に余程困っているらしい。
「……俺は大人だ」
迷った挙句に吐き出された言葉に私は何の迷いもなく「うん」と返す。
その反応を見てかブラック☆スターはハァッと短く息を吐いた。
「恋愛は同い年のクソガキ共とやってろ」
「無理だよ、私前世からあんたのこと好きなんだし」
ブラック☆スターが目を細める。
ああまだあんたは思い出してないのね。
ちくり、と胸の内側が刺されたようにこそばゆい。
引っ掻いて違和感を取り除きたくともそうする事は勿論できる筈がない。
私も同じように目を細めて。数秒の沈黙のあと、
彼は「意味わかんねーよ」と言いながら私から視線をそらした。
「付き合うだけなら法的にも何も問題ないじゃん」
「……お前よく馬鹿だって言われるだろ」
「あんたにはよく言われてたかな」
「……意味わかんね」
今度は深い溜め息をつきながら彼が手を差し出す。
戸惑いながらもその手をしっかりと握ると彼も強く握り返してきた。
「まぁしゃーねーよな。まさかこんな歳下にも俺の魅力が通用するなんて思わなかったぜ」
「今すごく大人っぽくないこと言ったね。その調子その調子」
違反切符
今に見てなさい、あんたはきっと私を好きになるわ。