SOUL EATER book2

□カラフルな思い出
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高い青の空にもこもこの白い雲。
手を伸ばしたって届かない筈なのに横に居る少年は空へ手を伸ばす。
「雲なら捕まえらんないよ」と言ってやると少年は決まってニヤリと笑って「それは凡人の話だろ」と言うのだ。

何度も見た夢。繰り返し見た夢。
それが本当に起きた事だったかただの夢なのか私は枕の上で天井を見ながら思い返す。
確かあれは幼い頃の話。
横に居た水色の髪の少年はきっとアイツだろう。

目が覚める度私は思う。
あの頃は彼に今のような感情は持っていなかったと。
この感情は邪な考えのような気がして、眉間に力を入れながらまた瞼を下ろす。

純粋で真っ直ぐな少年に、この感情をぶちまけるのはまだ早い気がした。


これは暑い暑い夏のある日のこと。



カラフルな思い出


 

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