SOUL EATER book3

□幸せな破滅
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たとえば、と椿は呟く。


「私が死んだとして」


その言葉に顔をしかめながら首を横に振ると、椿は俺の頬にそっと手を置く。
静かに聞きなさい、と言いたげな目に俺は怖気づいて口を結ぶ。


「私がいなくなったとして、その時私はソウルくんが心配だわ」


なぜそんなことを言うのだろう。結んだ唇を呆けたように開ければ椿は困ったように眉を八の字にして笑う。


「それなら俺が先に死のう」

「そうしたら私が毎日辛くてたまらないわ」

「俺も椿が先に死ぬのはごめんだよ」


そこまで言うと2人は黙りこくる。
俺も椿も次の言葉に悩んでいるのだ。
伏せた長いまつ毛を見つめていると、椿の黒い瞳がきらりと輝いた。


「一緒に死ねばいいんだわ」



にこやかに笑う椿に俺はくらりと酩酊感を感じ。





幸せな破滅





 

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