SOUL EATER book3
□雪だるまでも雪うさぎでもなく……
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駄目出しをしたい訳じゃないが、と前置きをして口をつぐむ。
無言の俺が指差した先にはいびつな形の大量の雪玉。
「なんだそれ」
「雪うさぎの雪糞よ」
はぁ?と聞き返した俺の顔は思った以上に変な顔をしていたらしい。
あざ笑うようなニヤけと理解できずしかめた顔、を見たらしいマカはムッと頬を膨らませた。
「馬鹿にしてるでしょ」
「まぁしない訳はないだろう…」
「だって雪うさぎは作れないもの」とマカはいびつな雪玉を作ってそのへんに置く。
糞だとわかるとこの量はちょっと気持ち悪いな。
雪玉を見つめて静かに引いている俺に、マカは顔をぱっと輝かせた。
「そうだ、あんたが雪うさぎ作りなさいよ!」
「はー!?」
「雪ならたくさんあるから、はい、どうぞ」
マカはそう言いながら辺りの雪をかき集め俺のほうへと押し出す。
馬鹿らしいと思いつつも俺は膝を曲げて、卵型の雪玉をかため始める。
雪だるまでも雪うさぎでもなく……