SOUL EATER book3

□立場が異なれば、考え方も異なって当然でしょ?
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現代転生のお話


長い雨が降り続いたある日のこと。
紺色の傘を差し濡れた革靴に苦い顔をしながら歩いていると、1人の少女が電柱にもたれかかっているのを見つけた。
栗色の髪を2つ結びにした少女は雨に濡れながら俯いたまま。
それを横目で見ながら通り過ぎて、スーツが濡れてしまう、と急いで家に向かう。


「ブラック☆スターだ」


後ろからそんな少女の声が聞こえて立ち止まる。
空耳か?と心の中で呟くのと同時に、もう一度「ブラック☆スターだ」という声が聞こえた。

ゆっくり振り返り、電柱にもたれる少女を視界に捉える。
少女の緑色の目はしっかりと俺を見ていて、先ほどの声はやはりこの子が言ったものだと確信を得た。


「なんで俺のあだ名を知ってんだよ」

「あだ名?ブラック☆スターはブラック☆スターがあだ名なの?」


クスクスと笑いながら少女が言う。それに苛立ちを覚え、眉間に皺を寄せる。


「はァ?何言ってんだお前」

「雨なのに、革靴履いてきちゃったの?相変わらず馬鹿だね」


少女はびしょ濡れのまま、俺を馬鹿にしたような言葉と笑みを投げる。
なんで見知らぬ少女に馬鹿にされなきゃいけないのか疑問だったが、いくら友人に「お前は子供っぽい」と笑われる俺でもこんなことでキレる訳はない。


「なぁ嬢ちゃん。こんな雨の中どうしたんだ?家出か?風邪引いちまうだろ。傘貸してやろうか」


そう言いながら近づいて傘に入れてやると、少女はポカンと口を開けたまま俺を見上げる。
そんな口開けたまんまだと虫入っちまうぞ、と言ってやろうと口を開いたところで、
少女が勢いよく俺を押しのけた。


「ブラック☆スターじゃない。ブラック☆スターはもっとガキっぽいもの」


どしん、と尻餅をついた俺を見て、少女は大雨の中バシャバシャ走り去っていく。
急いで立ち上がるもスーツはビチョビチョで、
だがそんなことより少女が風邪をひいてしまわないだろうかと簡単に逃してしまったことを悔いた。



立場が異なれば、考え方も異なって当然でしょ?

 

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