SOUL EATER book3

□四月の馬鹿
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愛しい気持ちはあったけれどそれは家族に向けるものと同等のもので、
恋人に向けるものではないと思っていた。

「私実は人の心が読めるの」

エイプリルフールだからといって気合いのはいった嘘を吐く気にはならず、
私は今思いついた適当な嘘を口にした。

隣りでアイスを食べていたブラック☆スターは笑って「じゃあなんか当ててみろよ」と私を煽る。
当てる気なんかさらさらなくて、私は脳内に出てきた単語をそのまま言葉にした。


「あんたが好きな人当ててあげる」


あたしでしょ、と間髪入れずに言った言葉に対してブラック☆スターは大笑いするのかと思いきや、
ただ目を見開いて顔を真っ赤に染めた。

しまったやらかしたんだ、と気づいた時にはもう遅い。

まだ寒いというのに汗をかきながら彼は私の口に自分のアイスを押し込み「バカか!」と叫んで走り去っていく。


好きといえば好きだった。だって彼は私を助けてくれるし何より頼りがいがある。
でもそれは家族に向ける愛情と同等のもので。

私は今日あった出来事がこれからの関係に影響が出てしまうんじゃないかと恐れて、
今日のことは綺麗さっぱり忘れようと心に決めた。


 

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