SOUL EATER book3
□憎しみはどこからくるの?
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黒い空の中で星が1つ瞬いた。
この世で一番何が嫌いかって、黒い空に浮かぶ星が嫌いだ。
文字通り天に向かって唾を吐く。足元でべちゃりと音がした。
「馬鹿じゃないの、何やってんのよ」
椿ちゃんが階段前で待ってたよ、なんて言葉は無視して
教室のベランダでぼうっと空を見つめる。
「俺馬鹿なんだよ」
「知ってるわよ」
すぐさま返ってきた返事に少しの苛立ちを覚えながら、それでも視線を外さず続ける。
「生まれた直後のことなんて覚えてる筈もないのに、何でこんなに腹が立つんだろうなぁ」
「知らないわよ」
ムッとしたような声のあと、マカも俺の隣りで空を見上げた。
「馬鹿みたい。空なんかにイライラしちゃって」
「うるせぇや」
不満げにそう言うとくすくすと小さな笑い声が聞こえた。
……椿ちゃん、迎えに行かないとな。
憎しみはどこからくるの?