SOUL EATER book3

□生きるも死ぬもあなた次第
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涙液がとめどなく溢れ出る。ぼたぼたぼたぼた、大粒のそれはブラック☆スターの顔もその傍の地面をも濡らしていく。
何で逃げないの、と問う。それが言葉になることはなくて、私の口から漏れ出るのは薄気味悪いケタケタとした笑い声。
早く逃げて、と告げようにも口は勝手に「早く死んで」と動く。

ああこれじゃあ彼に嫌われてしまうわ。
涎を垂らし黒い血は滲み、それらが合わさってぼたり、と彼の服に落ちた。

鎌を持つ手に力がこもる。
動かせないように、と力をこめた筈がそれは彼の首をはねるための力になりつつあった。
じわじわと鎌が上へ持ち上がる。

何で逃げないの、と再度問う。言葉は言葉にならず黒い私に阻まれた。

今彼を殺そうとしているのは紛れもない私。
その事実が信じられなくて体中の穴という穴から液体が溢れ出す。

あなただったらこんな危機簡単に乗り越えられるわ。そうでしょ?違う?いいえ違わないわ。

鎌を振り下ろす瞬間、彼は困ったように笑った気がした。



生きるも死ぬもあなた次第


お前に殺されるのならそれも本望だ。そう聞こえた気がした。

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