SOUL EATER book3
□よいこのすすめ
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しんと静まり返ったリビングに、寝息が1つ。
ソファに寝転がったブラック☆スターは、買い物に行ったソウルを待ちくたびれて眠り込んでしまった。
そんなブラック☆スターにそっと毛布をかけてやると、安らかな寝息が一瞬止まる。
どきり、と心臓が1つ大きく鼓動して、ピタリと全身の動きを止める。
すぅ、と聞こえてきた寝息にほっと安堵して、毛布から手を離す。
ソファの前とテーブルの間に座る。
彼の前髪を払って顔を覗き込む。穏やかな表情で眠りこけている。
神をも超越するはずの男がなんて無防備なの。
自然と口の端が上がる。黙ってたら中々かわいいのにな。
閉じられた薄い唇に、出来心で静かに緩慢に唇を重ねる。
緩い動きで舌で唇を割り、歯をなぞる。
するとブラック☆スターが唸りながらゆっくり口が開けるので舌と舌を絡めてみる。
呼吸が上手くできないのか彼はキスの合間に荒い吐息を漏らす。
何度も唇を重ね舌を絡めている内にブラック☆スターの目は開かれた。
「おい、嬢ちゃん、」
何してんだ、という言葉を吸い込むように口づけ。
彼はため息を漏らすかのような熱い息を吐き、抵抗していいのかわからないようで空中を引っ掻く。
つうっと一筋唾液が流れ、彼の頬を伝ってソファに落ちた。
「ま、か、」
「うん?」
唇を離し聞き返すと、もうさせないと言いたげに唇をきつくしめる。
呼吸ができず苦しかったせいか濡れた瞳と視線が重なる。まるで女の子みたい、と笑うとふざけてんじゃねぇぞ、と真面目な返事。
「優等生が他人を襲っていいのかよ、」
「隙を見せるあなたが悪い」
けたけた笑っているとブラック☆スターはどっちのものかわからない唾液を拭いながら頭オカシイんじゃねぇの、とぼやいた。
よいこのすすめ