SOUL EATER book3

□カランコロンと音を響かせ
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唾液が絡んだ丸いそれが、私の口の中から彼の口の中へと移動した。
「甘い匂いがする」美味しそう、と呟き次の瞬間に行われたその行為に、私の目は飴玉のようにまんまるく見開かれた。

顔に熱がこもる。冬だというのにこんなにも暑さを感じるなんて。
「顔真っ赤だぞ」ときょとんとした顔は確信犯なのかただの馬鹿なのか。

からり、ころり、歯と飴玉がぶつかる音がブラック☆スターの口内から聞こえる。
あんま好きじゃねぇ味だ。と言った彼の頬を引きちぎるようにつねる。


「ならなんで盗るのよ、返しなさい」


言い終わったあとに自分の失態に気づき、慌てて己の口を塞ぐ。
だが時すでに遅し。

からり。高くこもる音が、今度は私の口内から。


カランコロンと音を響かせ


 

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