SOUL EATER book3

□喧嘩だって悪いものじゃない
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痛いだろうな。ブラック☆スターを殴る、その一瞬前にそう思った。

ゴリ、と骨と骨がぶつかり擦れ合う音とその振動が、拳を通して腕にまで伝わる。
ああまた殴ってしまった。瞬時に後悔したが、今更もう遅い。

頬を殴られてブチギレてしまった様子のブラック☆スターが拳を固める。

彼はやられたらやり返す。逆に言えばこっちがやらなければあちらもやってこない。
いくら怒っても拳で殴るのだけはやめておこうと気をつけていたのに。


「殴るなら殴りなさい」


今度は何メートル吹っ飛んでしまうのだろう。
正直これから来る痛みを想像して泣きそうだったが、私は強がって声を張り上げた。

ブラック☆スターが腕をあげる。殴られる、と思ったその瞬間、肩をガッシリと掴まれる。


「いや。殴るより仲直りだ」


そう言いながらもブラック☆スターの頬の筋肉はぴくぴくと痙攣している。
殴り返したいのを我慢しているんだろうな、とすぐに察しがついたが、
同時に彼も成長しているんだ、とそう思うとなんとも言えない寂しさのようなものが胸の中にたちこめる。


「そうねいい考えね。乗ってやらないこともないわ」


おでこをガツンとぶつけそう言うと、ブラック☆スターも額をごりごり押し当てながらニッコリ笑う。
引きつってるわよ、その笑顔。


喧嘩だって悪いものじゃない


 

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