SOUL EATER book3

□点々と続く足跡
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サク、サク、サクリ。
煩わしい雪を避けるように足を高くあげ、白を踏みしめる。
冬も終わりに近づいたと思っていたのに、課外授業先は大雪が降っている。

こんな悪天候でマカの魂感知は使えるのかと不安になったが、
「魂感知に天気が関係するわけないじゃない」と得意げに鼻で笑われた。


「俺には全くわかんねェんだよその感覚」

「ほんと脳筋馬鹿ね!」


それは関係ねーだろ。
魂感知が出来るならさっさと前を歩けよ、とにやにやといやらしく笑うマカの背中を押し、後ろに続く。
マカが踏みしめた雪は、靴の土のせいで茶色く変色していた。


「なぁ、椿。雪すげー綺麗だな」

「そうね」


マカに聞こえないよう喋ると、鎖鎌の椿は俺に続いて小さく答える。


「課外授業じゃなかったらデートでもできたのにね」

「うっせーぞ椿」


余計なお世話だ、と火照る顔を隠すように襟元を正す。
うふふ、と小さな笑い声が聞こえた鎖鎌の刃には、これから戦いが始まるというのに、なんとも柔和な笑みが映っていた。



点々と続く足跡


 

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