SOUL EATER book3
□来週の約束
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「手、出して」
不機嫌そうにマカが喋る。
ただならぬ気配を感じ、手をもぎ取られるのではと警戒した俺は「絶対に嫌だ」と拒否した。
マカがぷくっと頬を膨らましきっと俺を睨みつける。
「いいから出しなさい」と言いたげな顔に、俺も意地になって手を後ろに組んで首を横に振る。
「出しなさいけち!」
「けちってなんだよ二本しかねぇのにもがれてたまるか!」
「何の話してんのよ!ああ!もういいわ!」
コートをはためかせながらマカが背中を向ける。
なんだあっけないな、とずんずん地面を揺らし去っていく背中を見つめていると、
その背中はぴたりと立ち止まり、こちらへくるりと振り返った。
そしてそのまま俺の方へダッシュしてきて、逃げる暇もなく距離はあっという間に詰められる。
額がぶつかりそうな距離のまま、マカは何も言わずに俺の胸へ紙を押し付け、
またずんずんと地面を揺らし去っていった。
「なんだあれ」
恐怖でドキドキと脈打つ胸を押さえながら、渡された紙を広げる。
『来週日曜10時死武専前』
あ、なんだ。デートの約束か。理解するのと同時に今度は別の意味で胸が脈打つ。
来週の約束