SOUL EATER book3

□手をつなごう
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蹴躓いた椿が前のめりになる。
あぶねえ、と思う間もなくべしゃりと音をたて椿が転んだ。
こちらに引き寄せようとした手は空を掻き、椿は無言のまま立ち上がる。


「見なかったことにしてください」


美味しそうなりんごのように真っ赤の顔で、ぽつりと呟くように椿が言った。
余程恥ずかしいのかその声は震えている。
吹き出すのをこらえ俺も顔を真っ赤にしながら「あぁ」と言ったが、今すぐにでも家に帰ってマカ辺りに椿の可愛さについて語らいたい気持ちだった。


「手、出せよ椿」

「え?」


椿が首をひねったまま、白く細い手を俺の方へ伸ばす。
その手を取って、椿の顔を見てにやりと笑う。


「こうしてたらもう転ばないだろ?」


エスコートなら任せとけ。お嬢さん、野菜売り場は向こうです。



手をつなごう

 

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