破面騎士

□再びの再開
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『――――…本当にこれで合っているのか?』

「勿論ですよ!皆もう終わってるんで行きましょ?」

『…可笑しいな、私の記憶ではこんな着方では…』


「ぶっ!?」

「げほっ」

「…お、」

「良いねぇ」

「いやー、お似合いで。」



 浦原商店。
 そう書かれた看板が掲げられている建物から乱菊と共に外に出たクラウドは目の前で突然咽た日番谷と恋次を見ると再び首を傾げる。



『…やはり何処か…』

「可笑しくないですって!ね、弓親!」

「勿論。クラウドさん、似合ってます」


「テメェ等…!松本!変な事教えてんじゃねぇ!!」

「ええー?」

「うーん…、ちょっと小さかったっスかねぇ?制服」

『ああいや、これぐらいで大丈夫です。ただ胸元を開けろと…』



 頼みますから閉めて下さい…。
 と頭からぷしゅーと蒸気を発しながら言った恋次を見たクラウドは分かった、と頷きボタンを閉め始める。
 その様子をじっと見ていた一角はぱちぱちと瞬きを繰り返すとうーん、と目を背けた。



「(…似合わな過ぎてなんて声を掛ければ良いのか分からねぇ…!!)」

「それにしてもクラウド隊長って制服似合わないですねぇ」

「はっきり言うなオイ!!」


『私もこの服は好かないな。だが一護達が居る場所へ入る為には必要なのだろう?』

「そうなんスよねぇ…。ま、我慢して行ってきてください。そろそろ行った方が良いっスよ、皆サン」



 …本当だ、と時計を見上げた恋次は行きましょう、と声を掛けると歩きだし、他も恋次に続くように歩き出す。
















「…で?何処に居んのよ一護。」

「え、メモは………また無くしたんすか」

「あはは」

「だったら霊圧探れ」



 そう言いながら歩く日番谷達を見る生徒達はあれ、見た事ある…?と漏らしているが、クラウドを見ると同時に目を逸らしなんだあれ…と呟いた。



「「「「(何か見た事ある人達プラス制服が恐ろしい程似合ってない外国人が歩いてる!!)」」」」


『それにしても、本当に窮屈だな…』

「それ俺も着た時思ったんすよ!つか刀持ってきたら駄目な法律ってクソっすよね!?」

『まあ私は虚閃さえ出せれば何ら問題は無いんだが…、少し困ったな』

「つか木刀は駄目だって言ったじゃないっすか…」

「うっせぇな!これで精一杯なんだよ俺には!!」



 そう言って木刀を抜きかけた斑目を見た日番谷は止めろ、と一括し足を止めると扉をガラガラと開いた。
 そして同様に足を止めた恋次達は扉から中の様子を覗き見る。



「…え、お前等また…?」

「おー、結構前にも同じ反応したな。でも俺等の方のメンバーは変わってるぜ」

「…は?誰が…」


『私だ』

「………え、クラウド!?」

「…クラウドの事も隊長無しかお前は…」


「…まさかまた上の命令か?最近大量発生してる虚について…とか」

「おう。その中に破面も交じってるって言う情報だからクラウド隊長に来てもらったんだ」

『役に立てるか少し心配だがな』



 そう言って微笑んだクラウドを見た一護はそうか…と呟くと黒板消しを置く。
 そしてそれを見ているクラウドに薄く微笑むとクラウドの頭に手を乗せ静かに掻き混ぜた。



『?』

「…普通に死神の皆と話せてるみたいで安心した」

『……ああ、ありがとう』


「嘘だろあの外国人の頭撫でてるぞ黒崎…」

「どっからどう見ても年上なのに何してんだあいつは!?」



 ざわざわと騒ぎ出す教室内にあ、と我に返った一護は遠く離れた位置で一護達を見ているクラスメイトを振り返り、そして同時に開いた扉にもう一度同じ方向に目を戻す。



「何かこの前にもあったような騒ぎ…ってああー!?」

『!…ああ、君は…』

「…あ、…クラウド、さん?」

『…確か啓吾君と水色君、だったかな』



 小さく微笑んだクラウドを見上げた2人は周りの困惑の目に気づかず笑顔でクラウドに話しかけた。



「あれから見てなかったけど…、こっち来れたんですね」

「もう1度会えるなんて…!」

『ああ、今回は仕事で来ているからあまり話せないかもしれないが当分は此方に居るから困った事があればいつでも頼ってくれ』

「はい」

「ありがとうございますっ!」



 嬉しげに話す2人を眺めていたクラスメイト達はえ?え?と混乱する様にお互いで顔を見合わせ、再び会話を交わしている3人に目を移す。



「「「(普通に話してるー!?)」」」

「何だあれ!?小島はともかく浅野が…ええ!?」

「すっごい…、ふっつーに会話してる…しかも笑ってる…」


「……とりあえず撤収するぞ。教室の場所は覚えただろ」

「あ、はーい」


『!すまない、そろそろ帰る。また明日にでも会おう』

「はい。仕事、頑張ってください」

「あんまり無茶しないでくださいね、…強いから大丈夫だと思いますケド…」

『…ああ、ありがとう』



 そう言って手を振ったクラウドは教室を抜け、前を歩く恋次達に続いて学校を出た。



 
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