破面騎士

□洗脳と破壊
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『全く、仕方のない奴だな』



 足早にクラウドの前から逃げる様に去ったウルキオラに、仕方無さ気にため息をつくクラウド。
 そんな時、背後にスタークが現れた。



「おいクラウド。片付いただろ、早く帰って来いよ。」

『ああ、態々その為にここまで?』

「うっせぇな。お前がまた1人でどっかいったらリリネットがうるせーんだよ」

『分かった。行こうか』



 顔を見合わせた2人はすぐさま響転を行い、スタークの宮へと向かった。


















「…帰ったぞー」

『リリネット』

「おかえり!クラウドー!」

「おいリリネット。俺には「あるわけないじゃん!」…お前なぁ…」



 ったく…とため息をついたスタークを尻目に、クラウドに抱き着いて飛び跳ねているリリネット。
 その満面の笑みを見たスタークは口を閉じ、微笑ましげに見る。



『待っていてくれたのか?』

「うん!」

『そうか。待たせてすまな…、?』


   クラウド


「…クラウド…?」



 突然ピタリと動きを止めたクラウドを怪訝そうに見上げるリリネット。
 クラウドは目を見開いたまま停止し、何かを確認するように耳に手を当てた。



「?どうした、リリネット」

「スターク…、なんかクラウドがおかしい…」

「は?…おいクラウド?」


 ―――クラウド


『…藍、染様…?』

「…クラウド?」


 戦え―――黒崎一護を、その仲間を殺せ


『ぐ…っ、』

「おい!?」



 頭を抱えて膝を着いたクラウドの傍らに座り込み、スタークはクラウドを覗き込んだ。
 その間にも、クラウドはただ只管譫言の様に藍染様、と繰り返している。



 殺せ。そうしないと、グリムジョーやウルキオラが死んでしまう


『…っ、ぅ…』


 私の命令が聞けるね?クラウド


『で、すが…っ』


 君は私の命令に従わざる負えなくなる。何故なら…


『!?…っ』

「おい…っ」



 どんどん目が虚ろになっていくクラウドを見て目を見開くスタークの傍らで、リリネットは恐怖に目を両手で塞いでいた。



 ――――君は、私の最も信頼を置いている部下なのだから



 プツン、と何かが弾け飛んだ。
 それと同時に体の自由が何かに奪い取られ、体が勝手に動き、スタークが心配する傍らですっと立ち上がった。



「!?おいクラウド、お前その目…」

『…』



 静かに振り向いたクラウドの目は金色。赤から金に変色していた。
 それに目を見開いている2人をチラリと見ると、クラウドは宮の壁を壊し、そのまま出て行く。



「―――何があったんだよ、一体」



 
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