破面騎士
□二度目の奇襲
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『――――何?グリムジョーが現世に?』
「…ああ。従属官を何人か連れていた」
驚いた様に顔を上げたクラウドは目の前で淡々と話すウルキオラを見上げ、深くため息を吐くと目を細めた。
『…シャウロン達か』
昔グリムジョーと共に出会った虚達。
恐らく彼等が共に行っているのだろう。
「……」
『…』
ウルキオラはふー、と額に片手をかぶせたクラウドを見ると徐にしゃがみ込み、口を開いた。
「…心配か?」
『……』
そう問いかけられたクラウドは顔を上げると数秒ウルキオラの顔を覗き見ていたが、すぐに視線を外すと困ったような表情で声を発する。
『…いや、グリムジョーは一護には負けない。絶対に』
「何故」
『…、一護が弱いからさ。グリムジョーも強い』
「…」
クラウドは窓のない牢獄の中でただ虚空を見つめる。
その様子をウルキオラは音ひとつ立てずに見ているだけだった。