破面騎士

□脱出と敵襲
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「…帰ったぞー、リリネット」

「…で?なんだったわけ。」



 思った以上に会議が長引いたため、リリネットの機嫌は悪い。



「わりーな。が、良い知らせだ。お前、泣いて喜ぶぜ」

「はぁ?一体な…に……」



 扉が開き、中に入り込む。初めに見えたのは真っ白な服と髪。
 血のように赤い瞳を見たリリネットは嬉しさと驚きで目を大きく見開いた。



「…クラウド…?」

『…ああ。久しぶりだな、リリネット』

「な…で…死んだんじゃ…!」

『藍染様の命令だ。私は今まで幽閉されていた。』


「生きてる…?」

『ああ。生きている』

「…っ、クラウドー!」



 嬉しさで顔を涙でぐちゃぐちゃにしながらクラウドに抱き着いたリリネット。
 それに頬を緩ませると、クラウドも軽く抱きしめる。



「よかった…っ、生きてた…!」

『ああ』

「ずっと…っ、待ってて…」

『…ああ』

「よかったぁ…!クラウド…!」

『…ああ、ありがとう…リリネット』



 部屋の入り口付近で泣き叫んでいるリリネットに耳を塞ぐと、スタークは近くのソファーに寝ころび目を閉じる。



『……そう言えば、家具が残ってあるのか…』

「…お前の分は置いてたんだよ。いつでも帰ってきて良いようにな」

『…ありがとう』

「気にすんな。別にいい」

『ああ。』

「…そこのソファーに寝ころんどけ。その方が霊圧を回復しやすいだろ」

『分かった。』



 ソファーに寝ころび、目を閉じる。
 そうすれば、虚圏全体の霊圧が感じられる。
 勿論、一護達のものも。



 …――――なぁ、一護。


『…彼女を取り戻して、此処を潰す気か』

「は?」



 スタークが怪訝そうに振り向くが、クラウドは目を閉じたまま霊圧を少し一護に向かって放つ。



『…やめてくれ―――…殺すな』



 頼むから、壊さないでくれ。
 その思いを乗せて、語り掛ける。
 この言葉が届いていることを信じて―――…




 (…!)
 (どうしたスか?一護)
 (…いや、なんでもねー…)
 (…なんかネルも悲じぐなっでぎだっス…)
 (はぁっ!?ちょ、待て泣くな!?)
 (なんがむしょーに会いだいっスゥゥゥ)
 (誰にだよ!?あの虚2匹か!?)


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