破面騎士

□二度目の奇襲
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「――――チィ…シャウロン達が殺られたか」

「うぉぉおおお!!」

「!」



 グリムジョーは向かってきた斬撃を避け、発生源を探す様に視線を己の真下に下げる。



「…アイツが…」



 黒崎一護か。
 とグリムジョーは呟き、ニヤリと笑うと此方に向かって走り出した一護の攻撃に向かい撃つ様にその場から落下した。



「……」



 二人はぶつかり合い、互いに攻撃し合った。
 傍から見れば二人は互角…攻撃しては避け、また攻撃しては避けられの繰り返し。



「…っ、うらぁあああ!」

「………」



 一護は一気にグリムジョーに向かって刀を振り降ろした。



「…、フン」



 が、一護の刀はグリムジョーに素手で受け止められ、その片手で上空に放り投げられる。



「ぐぁ…っ」



 それだけの攻撃でも数十メートルは吹き飛ばされただろうか。
 一護は痛みに顔を歪ませながらグリムジョーを見上げ、足に力を籠めた。



「く…っ、クソ!」



 一護は飛ばされた衝撃を抑えるため、上空に一気に飛び上がる。



「…おせーよ」

「!?」



 衝撃を大幅に抑える事が出来た途端に一護は再び現れたグリムジョーに目を見開き、攻撃を咄嗟に避けもう一度刀を振り降ろした。



「…」



 だがやはりグリムジョーに素手で止められ、グリムジョーは足を振り上げ一護を蹴り飛ばす。



「が…は…!?…っ、ぐあああぁあぁあ!!」

「はっ!」



 グリムジョーは吹き飛んでいく一護から目を逸らさず、足に力を籠め一護に向かって走り出した。



「…っの…!」



 一護は再び立ち上がり、ふらふらと覚束無い足取りのまま刀を持ち上げ、振り降ろす。



「おら!」



 グリムジョーの拳と一護の刀がぶつかり合い、ギリギリと一護の刃でグリムジョーの力と対抗していると、グリムジョーに頭部を蹴り飛ばされた。



「…っ、うぁぁああぁ!」

「…」



 一護は再び吹き飛ばされ、周りにある物を巻き込んでビルに激突した。
 グリムジョーはそれを笑いながら観覧すると、ゆっくり歩いて近づいていく。



「ぐ…っ、ぅ…」



 グリムジョーは一護を見下ろし、頭を掴んで自分の目線まで持ち上げると舐める様に口元を吊り上げながら一護を見た。



「な…んだよ…」

「…はっ。なんでクラウドはお前なんか助けたんだろうなァ?」

「!?クラウド…だと…!?」

「なんで…お前なんかをよォ!」

「!?ぐ…っ」



 一護は上空に殴り飛ばされ、歪む視界の中微かに顔を苛立ちに歪ませたグリムジョーを見る。



「アイツが!」

「ぐぁあ…!」



 グリムジョーはすぐさま上空に飛び、上から一護を蹴り落とした。



「うあ…っ」

「………チッ。こんなもんが卍解かよ。がっかりさせんじゃねェよ黒崎一護ォ。あいつが助けたほどの命…どんなもんかと思ってきて見れば…拍子抜けだぜ」

「――――…」

「…あ?」



 一護は一気に刀に霊圧を圧縮させ、爆発的に膨大した霊圧にグリムジョーは目を微かに見開く。



「………!!」

「月牙…天衝!!」



 グリムジョーは此方に物凄い速度で向かってくる黒い斬撃に両手をクロスさせ衝撃を押し殺す。
 そして腕から流れる血を気にする事無く一護を見下すと眉を寄せた。



「…はぁ…は…」

「……っ、なんだ今の技は。そんな技、ウルキオラの報告にはなかった筈だが?」

「…はっ、さっきの言葉、訂正できそうか?破面野郎」

「く…はっはっはっは!!上等じゃねェか死神!これでやっとアイツの考えてたことが分かりそうな気がしてきたぜ!」

「…っ」



 一護は楽しげに笑うグリムジョーを見上げ、眉を寄せてぐぐ、と立ち上がると刀を構える。



「…さっきの借りは返さねーとな?死神」



 グリムジョーは刀に手を掛け、ゆっくりと鞘から抜き始める。
 それを見た一護はぎり、と歯を食いしばり額の血を拭った。



「…っ――――」



 
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