小部屋

□もし聖闘士達がOROCHI世界に巻き込まれたら
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ある日、聖域で異変が起き、聖域ごと何処かの異世界へ飛ばされてしまった。聖域に居た黄金聖闘士達は消え去ってしまった者もいて、為す術もなく、とにかく自分達の管轄である宮と丁度来ていたアテナと青銅聖闘士達を守らなければと考えていた。だが、いつまでもこのままでは埒が明かない。とにかく、交代制で聖域の近辺の捜索を始めようと試みていた。
「見たところ、見慣れたような風景もありますが…」
「むぅ、些か様子が変だな。」
「人っ子一人居ねぇし、なんていうか、本当可笑しな場所に来ちまったな〜。」
最初は地上からも近いという理由で、ムウ、アルデバラン、オマケの星矢が降りていた。辺りは静まり返っている。外ももう薄暗く、それがまた一層不気味に思えた。
風邪がザワザワしてきた。不意に、何者かに囲まれたように感じた。
「…不味いですね。」
「うむ、非常にな。」
「え?何がだよ?」
「敵、ですよ星矢。」
三人は各々に背を向け、なるべく小さな声で話した。此処へきてやっと何かしらの進展。だが、下手をすれば非常に厄介な事になるだろう。しかし、後にも引けない。救いなのが、相手が普通の人間だろうと言うことだけだ。今のところ…だが。
ガサガサッ!
草の擦れ合う音と同時に飛び出してきたのは、得体の知れない、それこそ妖怪の様な風貌をした兵士達だった。
「でましたね!」
「戦うのか?ムウ。」
「此処が何処なのか分からない以上、事情を知っていそうなこの方達を強引にでも連れて行く必要がある…と私は考えています。」
「ま、た・し・か・に!やっと何か知ってそうな奴らが出てきたんだ、それに…アイツら人の話し聞かなさそうだしな。」
今にも此方へ飛び掛ってきそうな武装した妖怪達。納得したようにアルデバランが笑った。
「はっはっはっ!そうだな、確かに…聞きそうにもない。」
三人が身構えたところで、兵士達は襲いかかってきた。
「うぉ!!あっぶね!」
「星矢、なるべく小宇宙の燃焼は控えるのです!」
「おぅ、了解だぜ!」
そこまで苦戦することもなく、兵士達のほとんどはその場に倒れ込んでいた。
「さて、聞きたいことが山ほどあるのですが…良いですか?」
「ウゥ…!」
「まず一つ、此処は何処です?」
「此処は…遠呂智様が、強者、を…求めて、作った世界…」
「「「“オロチ”?」」」
聞いたことがあるような名前だが、尋ねた兵士に地面へ漢字を書いてもらったが、別のものだった。
「ふむ、強者を求めて作った世界…ですか。」
「だけど、それだけじゃいまいちまだ分からないな。」
消え去った者達の事も聞いてみたが、知らないの一点張りだ。
「また、振り出しだな。」
「えぇ、ですが…得た情報もかなり貴重なものでしょう。」
恐らく、自分達が超えるべき標的は…
「“遠呂智”、か…」
兵士達を解放し、ムウ達三人はアテナ達の居る聖域へと帰っていった。
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