Second
□荒北さんと小野田くん〜弱虫ペダル二次〜
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「そうかァ?」
「そうですよ、僕が保証しますよ!絶対OKされますって!」
頭の中ぐちゃぐちゃで、自分でも何を喋ってるのか分からない。
こみ上げてくるものを、ぐっと飲み込む。
「小野田チャンのお墨付きも出たから、告白するかァ」
僕、失恋かぁ。
荒北さんの前で、泣きませんように。
不意に、荒北さんが僕を正面からじっと見つめる。
僕の好きな、あの強い視線が僕を貫く。
「小野田チャン、いきなりでアレだけど…俺、小野田チャンが好きだ」
―荒北さんが、僕を
「初めて会った時から、ムチャクチャな走りするケドまっすぐで純粋な小野田チャンが忘れられなかった」
「…っ、ぁ」
どうしよう、僕。僕も
「ライバル校だとか、男同士だとか、色々考えたケド…どうしても小野田チャン諦めきれねぇから、告っちまおうって思って」
じわじわと顔が、身体が熱くなってくる。心臓が忙しなく跳ねる。
「小野田チャン」
気がつくと、荒北さんがすぐ目の前に居て。
「小野田チャンは先輩として俺に懐いてくれてンの、分かってっけど…どうしても言っちまいたくて」
荒北さんの手が僕の頬に伸びてきたけど、ビクッと身体が竦んでしまう。
恥ずかしくて、動悸がバレてしまいそうで。
「あ…っと、悪イ」
はっと気づくと荒北さんは手を引っ込める。
「…やっぱ、気持ち悪い、か?」
すっ、と距離を取られそうになるけど、僕は思わず荒北さんの腕を掴んだ。
「小野田チャン?」
僕も、僕も言わなきゃ。僕の気持ち。
「あ、あのっ!
ぼっ、僕もっ、荒北さんのことっ!
初めて会った時から…ずっと…す、好きっ、でっ」
不意に目の前が真っ暗になって、背中に回る腕と激しく跳ねる心臓の音で、荒北さんに抱きしめられてることに気づく。
「うわぁ…マジかァ、やべぇなァ」
「あっ、ああ荒北さんっ!?」
痛いくらいにぎゅっと抱きしめられて、これが夢じゃないと分かる。
恥ずかしさと甘酸っぱいのと、いろんな気持ちの渦でどうにかなりそうに、目の前がくらくらする。
「小野田チャン…マジ好きだからァ」
「ぼっ、僕もです…っ」
耳元で囁く荒北さんの声を聞きながら、必死で答えながら、僕は嬉しい涙を零した。
〜fin〜
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