歪んだ手帳

□哀と猫
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ポタ……ポタ……

至るトコロから血を流したお母さん…

臓器が丸見えにナッテル武村さん…


私は、傷ヒトツない。

街の人だってミンナ血塗レなのに…

私だケ独りぼっチ…。


「お母さんっ…私…」
「そうよ。お母さんと一緒にいきましょう。同じトコロに…」
お母さんは血の付いた手で優しく私を撫でながら言ってくれた。

「分かった♪私、お母さんと一緒にいく。独りぼっちは嫌だもん。」

『……ス。』

お母さんから渡されたカッターを、自分の首にあてがった。
首の一部に鉄の冷たさを感じる。

『…リス。』

そして、一気にカッターを引いた。
「……ッ!!」
その途端、アリスの首から紅い紅い血が吹き出し、白いエプロンを赤く染めてゆく。
吹き出す血を止めることなく、アリスはただ身を任せその場に倒れた。

『…アリス。』


「僕の声は届かなかったみたいだね、アリス。」アリスの背後からチェシャ猫が言った。
アリスが死にそうであるからだろうか、チェシャ猫も消えかかっている。
意識が朦朧として喋れないアリスを余所にチェシャ猫はこう続けた。

「…僕らのアリスではなく、僕だけのアリスだったら、僕は君を守ってあげられたのに、アリスはそれを望んではくれなかった。」
出せない声を振り絞ってアリスが聞く。
「……っど…ぅいう……意……味……?」

チェシャ猫は何も答えずに、アリスの首から流れる紅いものを手ですくいその手を舐めた。

「美味しいよ、アリス。」

「…っ質…問に…答え…て…」アリスが荒々しく言った。
「アリス…この際、君を全部喰い尽くしてやりたいよ。誰にも、今のアリスには触れさせない。空気にも、地にも…。触れていいのは僕だけだ。」

「…ェ…シャ猫……泣…ぃ…っいる……の…?」

「猫は泣かないよ。泣かないんだよ。だけど、猫は………泣くんだ。」
と言ったときにはアリスは生き絶えていた。アリスの目からは一筋の涙が伝っていた。
チェシャ猫の消滅が進む。

「アリスは僕らのために泣いちゃいけないんだよ、もう泣かなくていいんだよ。君には笑顔が一番似合うよ。」

そういうと、チェシャ猫は脆いガラスのように散って消えた。



『さようなら、アリス。僕は小さい時から君を……していたよ…』


fin


●○あとがき●○
シリアスなのかどうなのか私には分からず…(汗)
どんどん書いていきます!!

がんばるので、ブックマークよろしくですっっ♪ 

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