かろめ伝

□一期一会
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平成?年 ○月○日 

私は長女として生まれた。
私が生まれる4年前に、母は一度流産している。いや、妊娠中服用していた薬のせいで医者に「もしかしたら、障害を持った子が生まれるかもしれない。」と聞かされ、お金などの問題でおろしたらしい。
それから、私ができるまで何件も何件もお寺や神社へ参ってやっとできたんだと耳にたこができるくらい聞かされた。
だけど正直、何度聞かされても嬉しい話しでその場では言えないけど"私を生んでくれて本当にありがとう”って思ってる。
突然だが、私の母はうつ病だ。
症状はそんなにひどくないが睡眠薬や精神安定剤は手放せないみたいだ。体調が悪いときは、幻覚がみえたり幻聴が聞こえるという。
だが、私がおなかの中にいるときは私が健康に育つようにとほとんど薬を飲まずに病気の症状に耐え、つわりや陣痛に耐えた。 
当の私は、病気の辛さもつわりや陣痛の痛みも分からない。だから、変にすごいだとか言えない。両親の話はまた改めてするとして…

父は赤ちゃんの名付け辞典を手に取り、私に"真央"(仮名)と名づけた。

そして、3歳になり入園の通知が届く。
入園準備のため、幼稚園の方にお道具箱などの用品を買いに行ったときのこと…お遊戯室(体育館のようなところ)で母と順番待ちをしていたら、背中を誰かにどつかれたのだ。ぱっと後ろを振り返ると私と同じくらいの女の子が私を睨みつけていた。

彼女の名は、風花といっていつも面白いことを言ってみんなを笑わせてくれるムードメーカー的存在。第一印象は最悪だったが、自然と仲良くなって入園してからは毎日といっていいほど幼稚園から帰ったあとは、遊んだ。
そんな中で、2つほど大きな出来事を話したいと思う。


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