Novel

□本音
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「ねぇ、」
「あん?」
「ねぇったら、」
「なんだよ…」
今、黄瀬は屋上に立っていた。
青峰は屋上で寝っころがりながら雑誌を読んでいる。
「1on1ならしてやんねぇーぞ」
青峰は黄瀬に目を向けずに言った。
「…そうッスか…」
今日は暑い。けど、なんだかそんなことはないな。
なんでだろう。
青峰っちのそばにいると、なぜか、暑くない。
「今日はしつこくないんだな。」
ふいに青峰が言った。
「しつこくして欲しいんスか?」
軽く笑った顔で言った。
「はぁ?やめてくれよ。俺は今暑いんだよ。全裸になりたいぐらいに」
顔をしかめて今度は黄瀬に目をむけて言い放った。
一瞬ドキっとした。
ずっとこっちを見てくれなかった青峰っちがこっちを見た…。
ちょっと、暑くなった。
「全裸って…じゃあなんで屋上いるんスかw」
「別にいいだろ」
そうして青峰っちはまた雑誌に目をむけた。
「なぁ、黄瀬っていっつも屋上に来るけど、俺に無理やり部活こいとかそんなに言わないよな」
1on1はしつこく言ってくるけどなw
っとつけだしてつぶやいた。
「あれ、そうだっけ?」
「そうだよ」
青峰は感が鋭い。
ならば、もうわかちゃったのかもしれない。
本当は部活に来る来ないなんてどっちでもいい。
ただ、青峰っちと喋りたいだけ。
ただ、青峰っちの声がききたいだけ。
ただ、青峰っちの顔が見たいだけ。
青峰っちといると、暑くも寒くもなる。
すべて青峰っちの前だけ、
おかしくなっちゃうんだ。
こんな俺はきっと………………
青峰っちが好きで好きたまらなくて、毎日屋上へむかうんだ。

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