恋海 ALLキャラ
□ツン?デレ?
1ページ/2ページ
☆☆
「シンさんって、ツンデレ何ですか?」
シン
「………ツン、デレ?」
☆☆
「はい。ツンデレです」
シン
「………」
ソウシ
「☆☆ちゃん、ツンデレってどういう意味なの?」
ナギ
「…聞いたことねぇな」
トワ
「僕も初めて聞きます」
ハヤテ
「何か食いもんの名前か?」
リュウガ
「ハヤテ、それはねぇだろ。それだと☆☆から見て、シンは食べ物になっちまうじゃねぇか」
シン
「☆☆…貴様」
☆☆
「ち、違います!違いますよシンさん!もう、船長、変な事言わないでください!」
リュウガ
「ハッハッハ、悪い悪い」
☆☆
「…えっとですね。ツンデレってヤマトの言葉なんですけど、普段は冷たい態度をとる人が、特定の物や人に対してデレ、つまり優しくなるってことなんです」
シン
「……それのどこが俺なんだ?」
☆☆
「だってシンさん、いつも人に冷たい態度とってますけど、夜寝る前に銃の手入れをしているときは、嬉しそうっていうか、普段あまり見せない表情を浮かべてるじゃないですか。だからシンさんはツンデレだと…」
ソウシ
「…つまり、☆☆ちゃんは、シンが銃に対してだけ、そのデレがでると思ってるの?」
☆☆
「はい。……違うんですか?」
ナギ
「……」
トワ
「………えっと、☆☆さん?」
☆☆
「何?トワくん」
トワ
「あの、銃にデレるなんて、シンさんに限ってそれはないと思います」
☆☆
「でも、シンさん銃を手入れしている時、いつもと表情違うよ?」
トワ
「それは…ですね」
ハヤテ
「ってか、いくら嫌味ばっか言ってくるようなシンでも、さすがに銃にデレはしねぇだろ」
シン
「俺が一体なんだ?ハヤテ…」
ハヤテ
「だから嫌味…………なんでもない」
ソウシ
「さすがのハヤテも、シンの怒りオーラを感じ取ったみたいだね」
トワ
「ですね。…☆☆さんは、気づいていないみたいですけど」
☆☆
「シンさん、実際のところどうなんですか?やっぱり銃にデレてるんです?」
シン
「デレるわけないだろ!!バカな事を言うな!!」
☆☆
「え…でも」
シン
「でもじゃない!これ以上言ってみろ。問答無用で海の藻屑だ!」
☆☆
「そ、そんなぁ〜!」
ソウシ
「☆☆ちゃんの言うツンデレ、確かにシンに当てはまると思うよ。でもね、デレる相手は、私から見た感じだと違うものだと思うんだ」
☆☆
「ちがう、もの?」
ソウシ
「うん。人なんだけどね。シンがデレるのは……」
シン
「ドクター!!」
ソウシ
「…ごめんね、☆☆ちゃん。シンが怒りモードだから、この話はまた今度ね」
☆☆
「??」
トワ
「あ、あの、僕考えたんですけど。確かにシンさんもツンデレ、だと思います。でも僕はシンさんよりも、ハヤテさんの方がツンデレって感じがするんですが」
ハヤテ
「はぁ?何で俺なんだよ」
トワ
「だってハヤテさん、いつも冷たいですけど、すっごく優しいこともあるじゃないですか!誰にとは、怒られるから言いませんけど。そういうのって、ツンデレとは違うんです?」
ハヤテ
「違うに決まってんだろ!!俺は、その、ツンデレ?とか言うのじゃねぇし!だいたい、それならナギ兄の方があてはまるんじゃねぇの?」
ナギ
「…何で俺になる」
☆☆
「えっと、ナギさんはツンデレじゃないと思います。どっちかっていうと、クーデレの方な気が…」
ソウシ
「☆☆ちゃん、クーデレって?」
トワ
「ツンデレとは違うんです?」
☆☆
「結構意味は似てる方なんですけど。クーデレはデレているんですけど、そのデレが今一読み取れないんです。簡単に言っちゃうと、感情が読み取れない、つまり、心の中だけでデレてるってことです」
シン
「…そのまんまそれ、ナギじゃないか」
ナギ
「……」
リュウガ
「おい☆☆、俺みたいな奴はなんて言うんだ?」
☆☆
「え?船長、ですか?…えっと、船長はツンじゃないし、クールでもないし、かといって病んでもないし。……すみません、船長のタイプはないです」
リュウガ
「この俺にピッタリのデレはないのか、☆☆!」
☆☆
「そんな大きな声で言われましても。ないものはないです。すみません…」
ソウシ
「☆☆ちゃん、☆☆ちゃんは何も悪くないんだから、謝る必要はないんだよ。今のは船長が悪いんだから」
リュウガ
「ソウシ、それはどういう意味だ?」
ソウシ
「さぁ?どういう意味でしょうね」
リュウガ
「……」
トワ
「☆☆さん!僕はどうです?僕みたいなデレのタイプってあるんですか?」
☆☆
「トワくんは、そうだな。…トワくんもないかな?トワくんはいつも素直だもん。デレっていうより、素直かわいいだよ」
トワ
「素直かわいい…。じゃ、じゃあ、ソウシ先生はどうです?」
☆☆
「……ソウシさんは……………ろい?」
ハヤテ
「?今なんて言ったんだ?」
ナギ
「…なんとか、ろいって聞こえたな」
シン
「ろい………。まさか、お前…!」
ソウシ
「☆☆ちゃん?」
☆☆
「い、いえ。ソウシさんはデレじゃなくて、何て言うか、すごく優しくて、頼りになって、みんなのことすごい思ってって……とにかく、素敵な人です!!」
ソウシ
「☆☆ちゃん、ありがとう。☆☆ちゃんはいい子だね、よしよし」
シン
「……あいつ」
ナギ
「…今わかった。☆☆がドクターに言おうとしてたこと」
ハヤテ
「ナギ兄、☆☆何て言おうとしてたんだよ?」
リュウガ
「ハヤテ、お前は知らない方がいいぞ!」
トワ
「☆☆さん……」
ハヤテ
「??」
☆☆
「あの、ソウシさん、そんなずっと頭撫でてなくていいです」
ソウシ
「ごめんごめん。☆☆ちゃんが可愛すぎて、ついね」
☆☆
「えっ!!」
シン
「はぁ、またでたか。ドクターの天然」
ナギ
「…感心する」
ソウシ
「ところで☆☆ちゃん、もしかして☆☆ちゃんの好きなタイプって、ツンデレ系の人なの?」
ハヤテ
「はぁ!?」
シン
「何!?」
ナギ
「…!!」
トワ
「え!?」
リュウガ
「☆☆どうなんだ!?」
☆☆
「え、えっと、それは……」
シン
「それは、何だ?」
ナギ
「早く言え」
☆☆
「そ、そりゃ、ツンデレ系の人が彼氏だったらいいなって思いますよ?自分だけに優しいなんて、女の子なら誰もが憧れるものです。でも………?みなさん?」
ハヤテ
「……なるほどな」
シン
「それがお前の好みか……」
ソウシ
「ちょっと難しいかな……」
ナギ
「……努力してみるか」
トワ
「ツンってどうするんでしょう……」
リュウガ
「一人だけに優しくか……」
☆☆
「あの?みなさん?どうしたんです。ブツブツと小声で。もしかして私、変な事言っちゃいました?」
ハヤテ
「いや、何も言ってねぇよ!」
トワ
「ちょっと考え事です」
☆☆
「??なら、いいですけど。…私、最近思ったんです。みなさんみたいな性格の人も素敵だなって」
トワ
「僕たちみたいな?」
ハヤテ
「?どういうことだよ?」
☆☆
「そのままの意味ですよ。だからみなさんは、これからも変わらず、今のみなさんでいてくださいね」
ハヤテ
「……な、なんだよ。あいつの笑顔…」
シン
「俺たちがツンデレに反応したこと、気づいたのか?」
ソウシ
「それは、……ないと思うけど」
ナギ
「…特に意味ないだろ。たぶん、俺たちの言動には気づいてない」
トワ
「僕もそう思います」
リュウガ
「だが、これでさっき一瞬頭に浮かんだツンデレ計画は、ナシになったな」
☆☆
「…あ、そうだ。シンさん」
シン
「…何だ?」
☆☆
「そ、その、もう一度だけ聞きます。……シンさんは、銃にデレたり、してないんですよね?」
シン
「だからそう言ってるだろ」
☆☆
「じゃあ、その……」
シン
「?」
☆☆
「い、いえ、何でもありません!甲板掃除行ってきます!」
ハヤテ
「あ、おい、待てよ☆☆!」
トワ
「僕たちも行きます!」
シン
「………」
ソウシ
「…シン?」
シン
「……何ですか?ドクター」
ソウシ
「忘れちゃダメだよ?この船のメンバー全員がライバルってこと」
シン
「……」
ナギ
「…お前には渡さないってことだ」
リュウガ
「油断しねぇようにすんだな、シン?」
シン
「…わかってますよ。誰にも、あいつは渡しませんから」
☆☆がいなくなったあと、残ったメンバーの中では、静かに激しい火花が散っていたとかなんとか。
☆☆が言おうとしてたこと、それは………。
『その………私にデレてくれたら、嬉しいなって………』
それは、☆☆だけが知っている真実……