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□緑間真太郎の災難
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・・・・・・なんてことだ。
今日は確かにおは朝で12位だったとはいえ、まさかこんなことになるなんて。


 眼 鏡 を 落 と し た の だ よ


「くっっ、人にぶつかっておいて謝りもしないとは・・・」

あいにく今日のラッキーアイテムは”眼鏡”。
普段の眼鏡以外のスペアなど無い。(人事を尽くす限り眼鏡を紛失、損壊するなどありえないことだったからだ。)
そして俺の視力は学校での視力検査によるとD以下。

つまり今はとんだ危機的状況ということだ。

いつも高尾とリアカーで通っていた道とはいえ、見えなければ進めない。高尾は委員の仕事中だ、俺の勝手で呼び出すことはできない。
お前は一体何のために俺の携帯を無理矢理奪い自分の番号を勝手に登録したのだ。心の中で高尾に悪態をついた。



「どうしたん?」

声を掛けられ、その声の主が秀徳の生徒のものであることを祈りながら顔を上げた。見えない、当たり前だ。

「あぁ、緑間クンは眼鏡が無いと本当になんも見えんのやな。」
「わしは今吉や、今吉。桐皇の主将。」

そういえばこの関西弁にはなんとなく聞き覚えがある・・・ような気がする。

「その、今吉さんはなぜここに?」

「なんとなくや。今日ウチの学校創立記念日でなぁ。休みだったんや。」

だからってここにいる理由にはならないだろう。

どうやら顔に”意味がわからない”と出てしまっていたらしい。
今吉さんはくすくすと笑い「散歩や、散歩」と答えた。


「それよりもや。緑間クンってもっと自分勝手なイメージあったんやけど、そんなこと無いんやね〜。」
「どうしてそう思うのだ・・・ですか。」

また今吉さんはくくく、と笑った。


「それや、それ。頑張って敬語使おうとしとるし、今吉 さん って呼んでくれてるしの。」




学校に遅れるとか、もうそんなことは忘れていて

ぼやけた視界の中でその一言がなぜか心に残った








「ほれ。」
そう言って彼は俺の耳に何かをかけた。眼鏡だった。そしてそれはどうしてか俺にぴったり作られていて、ぼやけていた世界が今ははっきりと目に映った。

「なんでかって?ウチには優秀なマネージャーがおるからの。」

また笑ってる。からからと。

「女のカンは、恐ろしいな。」

学校、遅れんようにな。と言って彼は駅の方に向かって歩き出した。


(キセキの観察に来てみたんやって言ったら、どんな顔するかな緑間クン♪あぁ、なんか楽しくなってきよった。わしの負けやな。)


あとがきらしきもの

楽しくなっちゃったら負けだと思う今吉さん。負けたくて来たような感じがします。そして桃井ちゃん怖っっ

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