ドラマ『魔王』成瀬領

□第二章 就職
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そしてある日、領が仕事へ出掛け家で家事の仕事をしていると携帯が鳴った。

洗濯物を丁度干し終えて携帯のディスプレイを見ると相手は友人の美穂だった。


沙織:「もしもし?」

美穂:「あっ沙織?ちょっといいかな?今、暇?」

沙織:「大丈夫だよ。どうしたの?」



そして数時間後


沙織は美穂と共に大学の応接室に居る。

学長:「2人共、まず紹介しよう。こちらは○○スタジオの鈴木Pと監督の宮崎さんだ。ご挨拶なさい。」

鈴木:「どうも」

宮崎:「・・・」ペコリ

美穂:「あ、初めまして」

沙織:「立石と申します。」

有名なアニメ監督とプロデューサーを前に緊張する2人。

沙織は理由を知らず美穂に大変だから大学に来て欲しいと強引に連れて来られて今に至る。

しかも何故自分が一緒に呼ばれたのか見当も付かない。


学長は緊張している沙織と美穂を監督とプロデューサーの向いの席に座るように即すとお茶を出す。

そして穏やかな表情で学長が腰掛けるとゆっくりと説明をし出した。


学長:「君はうちの生徒じゃないそうだね?」

沙織:「あ、はい・・」

学長:「一月前にあった学祭は知っているかい?」

沙織:「はい」

学長:「その時にあった大きなパネルの絵をこちらの宮崎さんと鈴木さんが気に入ってね・・」

沙織は少し目を見開き驚く。

学長:「誰が描いたんだって言うもんだから担当してた美穂さんに聞いたらうちの生徒じゃないって言うじゃないか。」

2人は気まずそうに顔を伏せる。

しかしその気まづさを取っ払うように柔かに鈴木Pが話し掛けてきた。

鈴木:「君が描いたんだよね?いや〜凄い立派だよ!ねえ!宮崎さん!」

宮崎:「うん。」
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