ドラマ『魔王』成瀬領
□罠
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警察が到着し死因を調べている。
刑事:「死因は毒による物のようだな?」
警察1:「はい。死亡推定時刻はおそらく昨日の夜六時半から七時の間でしょう。」
そして刑事は弘美と浩一の元へよる。
刑事:「失礼ですがお二人がご家族の方ですか?」
浩一:「はい。俺は息子でこっちが母です。」
刑事:「そうですか。申し遅れましたが私は三鷹警察署刑事課の園田と申します。お二人は昨日の夜6時半頃はどちらへ?」
浩一:「俺はその時刻はまだ仕事中だ。」
刑事:「奥さんは?」」
弘美:「わ、私は家で食事の支度をしていました。」
刑事:「それを証明出来る方は?」
弘美:「・・・いませんけど・・。私は夫を殺してなんかいません!」
刑事:「落ち着いて下さい、奥さん!」
警察1:「園田刑事!」
刑事:「なんだ?」
警察1:「被害者の携帯を調べたところお昼頃、公衆電話からの着信が一件ありました。」
刑事:「よし!直ぐその公衆電話の場所と目撃者がいないか調べろ!」
警察1:「はい!」
刑事:「すみません。旦那さんは何か恨まれる事は?」
弘美:「恨まれる事?・・・・そうだわ、あいつに違いないわ・・・」
刑事:「あいつ?」
弘美:「沙織よ!あの子が私達を恨んで殺ったんだわ!」
刑事:「沙織さんというのは?」
浩一:「いとこです。幼い頃に両親を亡くして祖父に預けられていたんですが、中学の頃に祖父が亡くなりまして・・。それでまだ未成年で1人でこの家で暮らすにはいろいろと心配・・あ、ここ亡くなった祖父の家なんです。それで沙織をうちの親父がしばらく引きとって一緒に暮らす事になったんですよ。」
刑事:「それで沙織さんは今は?」
浩一:「・・うちを出て行きました。正直、何処でどうしているかは・・」
刑事:「そうですか・・」