ドラマ『魔王』成瀬領
□再会
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沙織:「それで成瀬先生」
成瀬:「はい」
沙織:「あの人達を訴えようか正直悩んでます・・」
成瀬:「あの家でどのような目に合われたのか・・具体的に話せますか?」
沙織:「・・・」
成瀬:「心情をお察ししますが・・弁護に当たる以上知る必要があります。勿論、守秘義務がありますから口外はしません。」
沙織:「・・はい・・」
成瀬:「・・沙織さん、もし無理なのであればゆっくりで構いません。まず、僕から質問しましょう。それに『はい』と『いいえ』で答えて頂けますか?」
沙織は頷くと成瀬は安堵し、少し慎重に質問を考え聞いてみる。
成瀬:「・・ご親族から暴行はありましたか?」
沙織:「はい」
《僕の質問に色々と答えていく沙織さんの表情がどんどん悪くなって行くのをみて僕は質問を辞めた。
沙織さんを見ていられなかったというのもあるが、彼女が実際どんな目に合っていたかは想像はついていたもののそれ以上の事実に僕まで気分が悪くなってきた。》
成瀬:「・・・今日はこのぐらいにしておきましょう。」
沙織:「・・はい」
成瀬:「・・具合悪いようですし家まで送ります」
沙織:「いえ、そんな・・大丈夫です」
成瀬:「遠慮しないで下さい。何かあってからでは大変ですから」
成瀬は沙織を車に乗せた。
車を走らせて数分、沙織のアパートに到着する。
沙織:「あの・・わざわざ送って頂いてありがとうございました。」
成瀬:「いえ。お身体をお大事にして下さい。ではまた。」
沙織は車を見送ると家に帰宅した。