ドラマ『魔王』成瀬領

□第一章 出会い
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6年前ー

(沙織当時17歳。)

沙織の祖父が亡くなった。

ある日祖父の遺品の整理をしてた沙織は祖父の残した遺言書を見つける。
そこには残った遺産のほとんど全ての所有権を沙織に与えると書かれていた。
祖父は全てを失った沙織が生きるのに困らないようにと遺産を残しておいてくれていたのだが、これが沙織を苦しめる方向へ向う事になる。

沙織の祖父は元有名な画家だった事から家が大きく土地もあった。
そんなある日、祖父の親戚は沙織がこの家1人で生活するには大きすぎると・・遠回しに出て行けと言ってきた。
内気な沙織は親戚達に言い返す事も出来ず暫くは祖父の次男の家族に引き取られるがこの生活が彼女にとっての地獄の始まりだった。
沙織は有名な女優の血を引くだけあって見目麗しく気品があったが性格は父親に似て引っ込み思案だった。
そんな彼女に次男の家族から性的虐待や暴行を度々浴びさせられていた。

それから一年が過ぎようとしていたある日の事、祖父の遺産の事で再び親戚一同が祖父の家に集まることになった。
そこに沙織も呼ばれ遺言状は無かったのか?としつこく迫られたが沙織は口が裂けても親戚達に遺言状の事が言えなかった。

このままでは拉致があかないと思った彼等は土地の所有権と祖父の遺産の事で弁護士に立ち合ってもらう事にした。

橘:「弁護士の橘と申します。そして彼は今弁護士に成り立ての見習いで来た成瀬です。皆にご挨拶を・・」

成瀬:「はい・・。成瀬領です。」

(成瀬 領 当時23歳)

この日が初めての出会いだった。
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