ドラマ『魔王』成瀬領

□結末
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体調も回復し沙織は美穂の大学に来ていた。

美穂:「沙織もう身体は大丈夫なの?無理してない?」

沙織:「うん。もう平気。ごめんね心配掛けちゃって・・絵、今日完成させちゃうから」

美穂:「慌てなくても平気だよ?」

沙織:「別に慌ててないよ〜。良い作品にしたいからあんまり日にち開けたくないの。」

美穂:「さっすが天才画家の申し子!さ、先生お願いします!」

冗談交じりに言う美穂に笑いながら作業場へ向かう沙織。

事件が雑誌や新聞に取り上げられていた事から他の学生から注目を浴びるのでは?と懸念し領は大学へ行くのをもう少し伸ばした方が良いと言っていたが沙織は約束の絵を完成させてしまいたいと押し切って大学へ出向いた。

そして案の定、同じサークル仲間以外の学生は沙織をチラチラ見る者も居た。
中に色目を持って見るものまでいた。


沙織は描きかけの絵の前に座り筆を取った。
領の迎えの時刻になるまで休まずずっと筆を持ったまま作業を続けた。

美穂は途中休むよう声を掛けるものの彼女は休む気配が無く心配になる。
すると同じサークルの男子がジュースを二つ持って沙織に近づいて来た。

男子1:「沙織さん?」

沙織:「・・あ、はい・・?」

男子1:「・・ホッ・・良かった・・気がついてもらえて・・」

沙織:「・・・?何ですか?」

男子1:「いや、凄い集中してたから・・・。あの・・これ良かったらどうぞ」

そう言って手に持っていたジュースを1本差し出す。

沙織:「あ、すみません。ありがとうございます。」

沙織は差し出されたジュースを受け取った。

男子1:「本来僕達がやらなきゃいけない事なのにごめんね」

沙織:「気にしないで下さい。好きでやっているんで・・」

男子1:「・・あの・・何か色々あったって聞いたから・・体調は大丈夫なの?」

沙織:「ええ・・」

男子1:「そっか・・なんかごめんね。無理しないでね?」

沙織は笑顔で頷くと男の子も笑顔でその場を立ち去った。
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