ゴリラの妹は、

□I・H本選A
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「俺赤ちんと戦いたくねーし
 試合出ねー」

まさかの発言だった。

「ど、どういうこと・・・」

「そのまんまの意味だけど。
 あっちも赤ちん出ないらしいし
 別にいーじゃん」

さっき、お互い頑張りましょうって
言ったら、あぁって言ってたのに・・・

「お兄ちゃんどうするの?」

「もう、ワシらで出りゃいいじゃろ」

「そうアル」

「・・・ッチ
 わがままばっか言いやがって」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

結局
1位洛山高校 2位桐皇高校 3位陽泉高校
だった。


お兄ちゃんも劉さんも福井さんも
他のメンバーも強かった。
3位もめでたいことだ。
でも、私はちょっとモヤモヤを抱えていた。


「敦くんの・・・
 試合見たかった」

「赤ちん怒らしたら怖いし」

「そっ、か・・・
 WCは頑張ってね。応援してるから」

「・・・次は出るかも」

私はそれ以上何も言わなかった。
なんか、まだ
気持ちは晴れないけど
でも、なんか次は頑張って欲しいなって思った。


「ねー!
 一緒にあそこのアイス食べてかない??」

気分転換のつもり。

「んー、別にいいけど」

「よし決定!」

私と敦くんはアイス屋に入って
最初は浮かない顔をしていた敦くんも
今では
幸せな顔をしてる。

これで
少しは気分よくなったかな?
少なくとも私は、
敦くんの幸せそうな笑顔と
甘い味と匂いでちょっと嬉しい気持ちになった。



(あいつらどこいったアル?)
(デートじゃねーの?)
(デートじゃと!!ワシよりも先にデートじゃと!!)
(これから先、お前はデートすらできねーよ)

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