ゴリラの妹は、

□うちの兄貴が
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陽泉高校はバスケ部が強いらしい。

私は、1年であんまりわかんないけど
お兄ちゃんが言ってた。
ちなみに、お兄ちゃんもバスケ部。

表には出さないけど
お兄ちゃんが好きだったりするから
応援しに行こうかなぁと
体育館に足を運んだ。


体育館にスキール音が鳴り響く。


体育館に着いたはいいが
練習中らしい。
声かけたいところだけど
声かけたら殺されそう
あの監督さんに。

ということで、
少し様子を観察することにした。


それにしても
みんな背高いなぁ。

特に紫原くんはとてつもなくでかい。
お菓子持ちながら、歩いてるでっかい人ってことで
有名人だから、1年で名前の知らない人は
ほとんどいないと思う。


「10分休憩だ」

「「「はい!!」」」

休憩に入ったらしい。
実は、今日のために作ってきた。
レモンのはちみつ漬け渡さなければ!


「あ、あの
 差し入れ持ってきたんですけど」

私の声でチームの人は振り返った。
ちなみにお兄ちゃんは
監督さんとなにやら話しているっぽい。

「か、可愛い女子からの差し入れアル」

「よっしゃーー!!」

「レモンのはちみつ漬けなんですけど」

タッパーの蓋を開けると
感嘆の声が上がった。
そこまで感動することないのに。

「いただきまーす!」

勢いよくなくなっていくレモンたち。

「なんじゃこれめっちゃうまい!」

「ありがとうございます!!」

料理は得意だから自信はあったけど
でも
やっぱり褒められると嬉しい。

「んー、お菓子あるからいいやー」

・・・なにやら失礼なこと言ってる子がいるのだが

「おい、敦食べろ!めっちゃうまいのに」

「そうアル」

「えー、俺お菓子食べるからいいし」

とてつもなく失礼だな紫原くん。

「んー、いいんです。
 皆さんに食べてもらってるので」

「いい子だ」

「いい子アル」

などと言ったが
正直
イラっときましたけどね。

そうこう話してるうちに
お兄ちゃんが監督さんと
話し終えたらしく
私たちのいる方にやってきた。

「お!南!!
 来たのか、ワシの分の差し入れは「ない」ないの!?」

これも兄への愛情というやつだぜ。

「え?知り合いアルか?」

そう聞くアル先輩(仮)

「いえ、お兄ちゃんです」

「「「お兄ちゃん!!!!!!」」」


なぜか驚かれるのだった。
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