曇りある愛情

□雲:世界が終わっても
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この世の愛は、いろんな形がある。思うに、愛の最終形態は“狂愛”なんじゃないか。
ならばきっと、この気持ちも狂愛なんだろう。
「雲雀さん」
好きとか、愛してるとか、安っぽい言葉を添えられるより、こうして貴方に抱きしめられていたほうが、いっぱい愛が伝わる。
「雲雀さん、」
名前を呼ぶだけ、それだけで涙が出そうになるのは、きっと雲雀さんが誰より、ううん。狂うほどに好きだから。
「少し黙ってなよ」
顎にかけられた手を払うこともせず、ただ従順に次にくる熱い想いを待つ。
逆光の中、眩しくて目を細めたオレは、貴方をただ見つめることしかできなくて。
「貴方となら、明日世界が終わってもいーや」
唇が触れ合う寸前に、小さくそう零した。




貴方といると、世界で一番幸せだと思う




なんて、単純かな。

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