過去作品
□天使の居た夜
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冬が来た
白い白い、冬が来た
「いつかきっとまた、───────から」
そんな約束をして、
もう何年経っただろう
君が居た、あの冬から
───────
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「あー、さみぃ」
特定の場所に住み着かず、
俺は一日、ただ何となく過ごしていた
のらりくらりと、
人間関係とか、世間体だとか、
そんな、面倒臭いこと全部交わして
所謂、放浪の旅って奴だ
「あー、腹減ったァァァ」
放浪の旅だと、
冬はやっぱりきつい
食い物はねぇし住むとこがねぇから寒ぃし
「つぅかここ何処だよ…
人一人居ねぇし」
いつもなら一軒くらい家があって、
そこの住人と仲良くなって飯食わしてもらって一泊して
もしくは掻っ払った食い物食って、どっかの寺で一晩過ごす
でもこんなド田舎じゃそれもできない
田舎っつうか、寧ろただの道だ
人家も寺も空き家もなければ、
田んぼや木もない
「やべ、何日食ってないっけ?
っと……6、…1週間?え、あれ、7日って1週間!?」
やべ、叫んだ衝撃で目眩が…
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