過去作品
□君とみた空
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「…綺麗なもんだな」
「ああ…」
空が紫にかわりつつ、
空には三日月と幾つかの星が見えていた
「…怪我、案外でけぇのなくて良かったな」
「……」
「あんま、無理すんなよ?」
「お前も、な」
そんな空の下を二人で並んで歩いて
「…じゃぁな、元気で」
「……おう。お前こそ」
お前は覚えてるか?
あの日を、
あの言葉を
「……」
「────…土方」
お互い、正反対に歩き出して少し離れたら、
お前が振り返って俺を呼んだ
「いつか必ず、また会おう
ぜってぇまた二人で、
この空を見よう」
「…ああ//」
俺は今もはっきり覚えてる
あの日を、
あの日みた、綺麗な空を
なぁ、俺達はどうしてこうなったんだろうな?
高杉
───────────…
「…夢、か…」
あの日の夢
昔──…武州にいたとき、近藤さんと二人で戦ったあと、俺は高杉に会った
もともと、近藤さんと会う前に俺達は出会ってた
本当に、偶然
そして本当に自然に、
仲良くなった
「……過激派攘夷浪士高杉晋助、か…」
また会う約束をして、俺達は別れた
もともと高杉が攘夷戦争に参加するのは知ってた
ただ、俺達が敵同士になるなんて知らなかっただけ
「……鬼兵隊。
俺は…真選組副長、土方十四郎」
あれから1度も会っていない
もし会ったら、俺はどうするんだろう?
「……あ、巡回の時間…
総悟っ巡回行くぞっ!!」
───────────…「ったく総悟のやつどこ行きやがった…」
いつもの様に総悟を探し…もとい巡回をする
そしていつもの様に空を見上げる
「…三日月…」
あの日と同じような時刻のときはいつも見上げる
確かに、今まで沢山綺麗な空はあった
でも、あの日の空の方がずっと綺麗で
「何やってんだろうな…」
思い起こせば、あの頃の空はいつも綺麗だった
これも田舎と都会の違いか?と思った
しかし、仕事で武州に行ったときもそれほどかわらない
「他に、何が───…」
ああ、そうか
そういうことか…
君とみた空
(僕は今でも独り、探してる)
お前が隣にいないから、
綺麗じゃないんだ…
「フッ…女々しい…」
自分でした約束くらい、守れよ
「土方」
(振り返ると、空は今みてたのよりもずっと綺麗で)
[END]