過去作品
□100万回好きと言おう!
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「土方殿っ!!」
「あ?…って何てめぇは普通に来てんだ!!不法侵入野郎!!」
「そりゃ土方殿に会いたかったから☆」
「“から☆”って何だ気持ち悪ィ」
「またまた〜土方殿は本当にツンデレなんでござるから〜可愛いなぁ」
「誰が可愛いだっ!?
…ってか何の用だよ、朝っぱらから」
「土方殿好きでござる!!
結婚を前提に付き合ってくだ「断る」
毎日毎日繰り返される会話
何故かコイツはいつの間にか俺の家にいて、
嫌がらせのつもりなのか毎日毎日飽きずに好きだの何だの言ってくる
「土方殿好きでござる!!」
「うるせぇ黙れついてくんなっ!!」
「拙者、土方殿が好きだと100万回は言えるでござるよ」
「気持ちわりぃ」
ギャーギャー言いながら学校に登校
本当はコイツと来たくなんかないのだが、
さっさとしないと遅刻してしまうため仕方ない
「何でついて来んだよっ!!」
「そりゃ土方殿が行くところになら何処までもついて(ry」
「うっせぇついてくんなっストーカー!!」
「同じ学校の同じクラス故、無理でござるよ」
「チッ…授業出ねぇくせに」
「授業中も拙者に会いたいのでござるか!?
それなら喜んで「うるせぇいい加減しばくぞ」
コイツのせいで俺の毎日のストレスは半端ない
────────…
「朝からイチャイチャお熱いですねィ土方さん
公衆の面前で…迷惑を考えなせェ」
「俺だってやだよ
ったく何なんだアイツ…」
教室につき、やっと解放される
「毎日熱心ですよねぇ…」
「いい加減認めたらどうなんですかィ、
付き合ってますって」
「付き合ってねぇし!!
アイツもよく嫌がらせ飽きねぇよな…はぁ…」
「「嫌がらせって…」」
だって俺は男でアイツも男で…
そんなの嫌がらせに決まってる
それに“好き”に重みがない
──────────…
「あ、土方殿!お疲れ様でござる」
「…何でいんだよ」
「土方殿と一緒に帰るために決まっているでござろう」
「…ハァー」
授業、部活で疲れて帰りはツッコむ元気がない
ぶつぶつと文句を言ったところでコイツがいなくなる訳もなく
結局は一緒に帰ることになってしまう
「土方殿、好きでござる」
「黙れ」
「拙者のどこが駄目なんでござるか?」
「全部。第一男だろ」
「それでも好きなんでござるよ、土方殿のことが」
コイツには恥というものがないのだろうか?
幾ら嫌がらせでも少しは恥ずかしがっても…
「土方殿、ついたでござるよ?」
「あ?あぁ」
いつの間にか家についていた
「また明日でござる」
「……」
コイツの声を背中にきき、中に入ろうとすると──…
「っつ…」
くらりと目眩がして、
俺はそのまま意識を手放した
───────────…
「…ん」
目を覚ますと見慣れた天井がみえた
「……俺…?」
どうしたんだっけ…
確か学校から帰って来て……ああそうだ、倒れたんだ
でもどうやって部屋に…?
「気がついたでござるか?」
「……!」
視界に見慣れてしまったグラサン男が入ってきた
「んでお前が…」
「土方殿が倒れた故、看病を」
「……」
運んだのもコイツか…
「ん、でそこまで…?」
「いつも言ってるであろう、
土方殿が好きだからでござる」
「冗談…」
「本気」
いつもより少し低い声音、
サングラスの奥にみえる真剣な眼差し
「本気で、
土方殿が好きだとわかって欲しい」
真剣になるといつもと違う口調になるのが、コイツの癖
「俺、男…」
「そんなことは知っている、
それでも好きだ…」
「っ//」
100万回好きと言おう!
(その頃にはきっと君も)
「馬鹿っ風邪ひいてるときに言うんじゃねぇっ…」
「治ってからも言うでござるよ、幾らでも」
「本当馬鹿だよな、河上は」
おわり