過去作品
□colorful
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ぐちゃり
血と、もとは…人だったっけな、これ
まぁそんなのどうでも良いや
「…弱いのばっかり」
───…ああ、親父は、強いんだっけ?
「ダメっパピー!!」
「……」
情けない
下らない
情なんかいらない
家族だとか、下らない
世界は色に溢れてるって?
はは、嘘だね、そんなの
だって、世界は
俺の目には、
黒と紅しかないよ?
───────────…
「ちきゅう?」
「ああ。上からの命令でな
まったく…面倒押し付けてきやがって…」
「そこに強い奴はいるの?」
「いんや、よぇえ野郎ばっかりだ」
「ふぅーん」
それじゃぁ用はないな
阿伏兎たちに任せよう
「…ああ、でも」
「なに?」
「飯は、旨いそうだがな」
「本当?じゃぁ行こうかな」
「…行くもなにも、アンタの仕事なんだがな」
「まぁまぁ」
それに、暇潰しくらいには、なるかもしれないでしょ?
───────────…
「……つまんないの」
弱い、弱い、弱い
阿伏兎の言ってた通り、弱いのばっかりだ
ご飯は美味しいけど、ね
「…(ペロッ)」
紅い、紅い、紅い
世界は、黒い
ほらね、たった2色しかないでしょう?
「お腹空いたな…」
やっぱり昼から戦ってると、さすがに疲れる
どこかに食べ物屋は…
「あ、血ぃついてる」
どうしようかな
面倒だけど、阿伏兎に着替えを頼もうか…
「阿伏兎何処だろ」
ああ、疲れた
眠いな
でもお腹空いた
血の臭い
紅い、真っ紅
ぐちゃぐちゃとなる足音
踏んでるのは…
何だろう、コレ
「───…人…?」
暫く細くて湿った道を歩いたら、
人がいた
綺麗、だな
強い、かな
「──…おい、お前、どうした?」
ねぇ、アンタ強い──…?
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