過去作品

□そんな貴方が
2ページ/3ページ



――――――――――――


「フンッ、フンッ」


やっぱりミントンは良いな
久しぶりだ…


「ふ、副長!?」
「あ?なんだよ」
「え…?いや…」


あれ…、怒らない


「用もねぇのに呼び止めんな」
「はい…失礼しました」


あれ、今日もなんも言われなかった…
何でだろ…?


―――――――――…


「ヤベっ副長の煙草買うの忘れてたっ!!」
「俺がどうした」
「副長!?
すみません、煙草…ってあれ?
ご自分で買われたんですか?」
「悪ィかよ」
「い、いえっ!!そんなことは…」
「どけろ」
「あ、はい」


何でだ…?珍しいこともあるんだな…


――――――――――――


「ぁ、副長、マヨネーズ買って来ましょうか?」
「いや、いい。自分で行く」
「へ…?何で…」
「総悟っ巡回行くぞって何寝てんだァァ!!」


俺にだけ変だ…
もしかしてこの間の気にしてる?

いや、そんな柄じゃないよな、あの人は…

ひょっとして、俺…


「避けられてる…?」


何で?
この間ので、嫌われた?


「副長、何か俺がお役にたてることは…」
「別に。仕事しろ」
「…はぃ」


――――――――――――


「ったく、何なんだよ…
この間までは散々コキ使ってたくせに…」


明日、正確に言うとあと30分弱で俺の誕生日

だけど、きっと明日もこんな感じなんだろうな…


「はぁ…」
「お、ザキ、どうした、溜め息なんか吐いて」
「あ、局長…いえ、副長のことでちょっと」
「トシか…彼奴は人に頼るのが苦手で、人付き合いも得意じゃないからなぁ〜」


…知ってる
付き合うずっと前、
俺が自分の気持ちに気づいた頃、

『もっと頼って下さい』って言ったら
『命令すんな』って殴られた

それからだ、俺がコキ使われたり、八つ当たりで殴られるようになったのは


「トシは素直じゃないし、自分に厳しいし、中々人に心を開かないから、
頼ったりしないんだよな」


…わかってる

副長って権力を滅多につかわない癖に俺にだけすごい

俺だけ、コキ使われる
──…あれ?


「でも、ザキ
トシがあんだけ頼るのは、お前だけだ
まぁ、素直じゃないから
ちょっと酷くみえるがな」


局長の豪快な笑い声を背中にきいて、俺は部屋を後にした

そして、副長の自室に猛ダッシュした


「総悟、こんな感じでよかったか?」
「ばっちりでさァ
全く、世話がかかる奴等でィ」

.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ