万×
□それは満月のような
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お題 『確かに恋だった』様より、捏造キスのことわざ5題、2『月夜にキスを奪われる』
元のことわざは『月夜に釜を抜かれる』
万斉(と山崎と高杉)は月夜が似合う、似合いすぎる。
で、土方さんは絶対風流な方だと思う。月とか好きそう。
基本的に万斉の目は深い青や藍、だと思ってます。が、赤い目も似合う、むしろかっこいい!と思いまして。
ですが書いてる途中に、どうせなら満月みたいな目ってどうだろう?と考えたとき、
まあなんともかっこいい。
要するに何してもかっこいいよ、あの人。大好き万斉!
で、下はちょっとおまけですが、今回の作風を崩すので何でもオーケーな方だけどうぞ笑
「慣れないでござるなあ、この格好」
晋助の使いで来たが、着慣れない和服、笠、草履、しかもヘッドホンもサングラスもない。
唯一馴染むのは相方の仕込み三味線。
「しかし今日は明るい夜だ。
む?」
こんな時間に人通りのないこの道で人影が。
あれは…真選組の隊服。
警戒しつつももしかしてと僅かな期待を胸に少し近づき視覚をフル活用。
「あれは土方殿…!
なんと、ついている!!
あ、猫撫でた!まったくもー、かわいいでござるな土方殿は!!
くそ、あの猫代われ!拙者と代われ!!」
話したい!めちゃくちゃ話したい!!近寄りたい、触りたい!!
どうしよう、今のこの格好なら直ぐにはバレないだろうし、辺りに人は居ない。
今なら、攫える。
「…キスだけなら許されるかな」
気配を消して土方殿に近づいた。
──────────────…
「…」
忘れられない、あの表情、あの感触。
拙者らしくもない、こんなの。
「土方殿…」
本当はあんな触れるだけのキスじゃなくもっと濃くて深いのをしてやるつもりだったのに。
あんな表情見せられたら、思考が停止してしまう。
「きれいだったな」
かぐや姫なんぞまるで比じゃない。
あの人を手に入れるためなら、何だってしよう。
見惚れたようなあの顔は、自惚れでないはずだ。
嗚呼、この目でよかったなんて。いつから拙者はそんなに女々しくなったのか。
月夜の下でまた──
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