万×

□Secret Cinderella
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本日、5月20日

俺は久々の休暇だった

そして俺は今高級料亭で飯を食っている

向に座っているのは、
指名手配中の河上万斉

俺達はこんな関係性ながら、
しかし事実恋人である

男同士で、しかも攘夷と警察
勿論極秘で、こんなに堂々と二人で食事などできない

ましてやここは、
幕人も真選組もよく来る料亭

しかし、今現実に実現している
これは夢なんかではなく、紛れもない現実

何故そんなことが可能なのか

それは、俺が今″変装″しているからだ


────────────────

「は?泊まり?」
「左様

土方殿も好きでござろう?
あの料亭

丁度予約もとれてある
2人で…」
「行くわけねぇだろ
その日普通に仕事だし」
「そんなっ!

自分から言うのも何だけど、
拙者の誕生日なのにっ!!」
「だ、だいたい、
毎年祝ってねぇだろ、てめぇの誕生日なんざ」
「だから、今年はせめて土方殿と過ごせたらと…」


しゅん、と頭を垂れる万斉をみて土方の心には罪悪感がわく


「だ、だいたい!
二人で何て、無理に決まってるだろ!」
「そのことなら大丈夫でござるよ
拙者に良い考えがある」
「い、良い考え…?」
「だからどうか土方殿!
今年は拙者の我が儘を聞いてくださいっ!」
「…もし休みが取れたらな」


二週間後のことにも関わらず、
近藤さんは快く了承してくれた

夕方に待ち合わせているのだから午前は出てもよかったのだが、
お前は働きすぎだから休めと言われた


考えてみれば、アイツは毎年かかさず俺の誕生日を祝ってくれる

それなのに俺は仕事で会うこともないし、プレゼントも贈らない

それどころか、おめでとうの一言も言わない

せめて今年ぐらいはちゃんと祝ってやるか


そう思い、単刀直入にほしい物を聞いた
すると返ってきた答えは

「20日に、拙者が用意した服で出かけてほしい」

目立つ格好は無理だといえば、
そもそも二人で出かけられる考えというのが変装らしかった

了承し、河上のマンションまで向かう

河上が用意した服、ということで、
昼過ぎに向かい、

着いて着替えたら丁度いい時間だろう


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