今日も明日も明後日も
□一本あるうちのいっぽん?
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日差しの強い今日この頃。今日は朝から仕事のない万事屋で神楽はまだ寝ているし、銀時と新八は事務所でテレビのニュースを見ている。
そして伊織は朝から洗濯と掃除に大忙しだ。
え?朝食は?って?今日は珍しく「外に食べに行こう。」と言いだした銀時のおかげで作らなくてもよくなったのだ。
ただ単に朝から甘いものが食べたいと言う欲求なだけだろうけれど…。現在は主婦のごとく動き回りながら神楽の起床を待っているところである。
『あ、神楽ちゃん…おは、』
「うーーす。」
「あっ神楽ちゃんちょっと見てコレっ!僕の指が…」
指が…と、中途半端に言葉を切らした新八の話の続きも気になるけれど、今伊織はそれどころではなかった。目の前を通り過ぎた神楽に今は意識を持っていかれている。
「なんか変な夢見てあんま寝られなかったヨ。」
同時に黙り込んでいた新八がいち早く復活し何事かを叫びながらトイレであろう銀時の元へと駆けて行ってしまった。
『神楽ちゃん。きっとそんなきぐるみ着てるから変な夢を見たのだと思うのだけど…』
「?伊織なに言ってるアルか?」
『ちょっ、いいから早くそれを脱ぎなさい!めっ!』
「いだだだだだっ!伊織痛いアルぅ!!コレ着ぐるみじゃなくて本物ヨ!!」
そう神楽が言うように彼女の体と同化したマイナスドライバーの形をした何かは、引っ張っても脱げることはなかった。
『そんな、神楽ちゃんが…――そんなっ、パジャマから着替えが出来ないなんてっ!』
「ええっ、それは嫌アル!」
「論点が違げーよ!2人とも!!」
新八の鋭いツッコミにそちらへと顔を向ければなぜか怖い顔をした銀時と人差し指がなぜかプラスドライバーな新八。
『新八君、その指…』
「……。」
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