今日も明日も明後日も

□酒を飲むと失敗するフラグはいつの時点でへし折るべきだろう
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「お登勢のババァんとこで?」

『そう。急に貸切りの予約が入ったから手を貸してほしいって。』

「お前、できんのか?人見知りだろ?」

 いつものように穏やかな万事屋事務所にて(いや、皮肉だからね。仕事がないって意味で)。

銀さんに言ったように、ついさきほどゴミ捨てに外へ出たときお登勢さんと偶然顔を合わたのだけれど、なんでも常連のお客さんがどうしても、と急に貸し切りの予約をしてきたのだそうだ。
常連ということもあって断りきれなかったお登勢さんだけれど、スナックは彼女一人で切り盛りしており…つまり、人手が足りないとのこと。

元々そんなに人数が入るスナックでもないけれど、なんでも貸し切りで20人ほどの予約なのだそうだ。
さすがに、一度にそんな人数が来られたら対応は難しいかもしれない。
だから、万事屋に依頼という形で私を貸してほしいとお願いされたのだけれど…。

銀さんの言うとおり、私は人見知りなわけで。

『そう、言ったんだけど。お登勢さんにそれでもかまわないって言われたし、お酒出すだけでしゃべらなくてもいいって…。それに、今月と来月の家賃チャラにしてくれるんだよ?』

「よーし、伊織。完璧に仕事こなして来い。」

『変わり身はやッ!!』

 不安要素ばかりの中、私はスナックお登勢へと出勤していくのであった。





 
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