今日も明日も明後日も
□弱り目に優しくされるとコロッといく
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『休み?』
「おう、たまにはな。最近の伊織、働きづめだろ?たまには銀さんとでーとでもしようじゃねーか。」
『でーと、ねぇ…』
初夏に入り、梅雨の合間に珍しく晴天の今日。銀さんは急に休みにしようと言いだした。
確かに店の経営者は彼なので、彼が休みと言えば休みになるのだけれどどうしても私は今日、外に出たくない理由がある。
「なんだァ、嫌なの?銀さんとお出かけ嫌なの?おっさんとは手も繋ぎたくないってか?」
『手繋ぐとかは嫌だけど。』
「チクショォォォッ!」
朝っぱらからシャウトする銀さんは視界の隅に追いやることにする。
とにかく今日は外に出たくないのだ私は。
『銀さん、休みにするなら外に出なくても今日は家の中でゆっくりない?』
「それじゃあいつもと変わんねェじゃねーか」
『いいの。ダメ?』
「…、首傾げんのやめろ。」
似合わなさすぎて銀さん吐きそう…ぅぷ…――ドガッ!
吐き真似で蹲る銀さんのケツにケリを入れてやった。
その勢いで机の角に額をぶつけてのたうちまわる彼は無視しよう。それがいい。
『…――う゛…、っつ…』
暴れたせいか、せっかく治まっていたはずのものがまたやって来たのだ。
「っつ、いってて…何してくれんだ伊織コラァ!銀さんのビューティーフェイスがへこむとこだったじゃねーかァァ!責任とれ……って、おい、どうした?」
『…、どうも、しないから…』
「どうもしねーことねーだろ、オイ。ホントにどうした?」
床に蹲る私の傍に、復活した銀さんが急いでやって来た。チラリと彼の顔を盗み見れば、珍しく真剣な、焦ったような顔をしている。
くそぅ…こんな状況じゃなければその顔ずっと凝視してるのに…。
「救急車呼ぶか!?」
『い、…いい。ただの、生理痛…だから』
「……は…?」