立海バトテニ 短編
□また、あの笑顔が見たい。
2ページ/3ページ
何時間……同じことをしていただろうか。
赤くなった先輩達の周りを、壊れたように歩き回っては話しかけた。
「…丸井先輩…。」
一番近くにあった、丸井先輩の…死体。
なんで近くにあるのかは……先輩が俺を守って死んだからだ。
「…なんで…俺なんかを守ったんスか……。」
いくら話しかけても、返事は返ってこなくて。
「先輩……答えて下さいよ……。」
俺の頬をつたって零れた涙は、丸井先輩の真っ赤な髪の上に落ちた。
この髪を見ると、やっぱり思い出してしまう。
いつも一緒に笑い合っていた…丸井先輩を。
先輩が笑うたび、ゆらゆら揺れていたこの真っ赤な髪を…。