四天宝寺バトテニ 短編
□殺す事なんて、出来ない。
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「……ここまでのようやな。」
俺は途中、白石と会った。
白石は、いきなり俺のことを襲ってきた。
手にはナイフを持って。
俺の武器は銃だった。
ナイフと銃…。
戦いだったら、銃の方が圧倒的に有利だろう。
白石は尻餅をつき、持っていたナイフは俺の手によって遠くへ飛ばされた。
「………なんで、こんなゲームに乗ったんや…。お前は…そんな奴やないやろ??」
白石は部長。
どんな時も部員のことをしっかり考えていた。
それなんに…なんでや。
「……生きたかった。」
「……え?」
「俺は……生きたかったんや。死にたく…なかった。」
それは…皆同じや。
死にたい奴なんて、一人もおらへん。
「俺は最初、こんなゲームに乗る気なんて…まったくなかった。」
「せやったら…なんで??」
白石は涙を流して、俺に言った。
「千歳が…いきなり、襲ってきたんや。…あの時、千歳の目は別人だった。」
千歳…か。
一番最初の……犠牲者やったな。
「俺は怖くて…気が付いたら、千歳をー…殺してた。」