Confusion!!

□7.葛藤
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岸谷さんとセルティさんのマンションを出た私は、一緒にマンションを出てきた平和島さんに「1人で帰れるので大丈夫です」と言ったのだけれど、平和島さんが「こんなに暗い中女の子を1人で帰らせる訳にはいかねぇよ」と言ってくれたので、御言葉に甘えて新宿駅まで送っていって貰う事にした。


駅につくまで、彼とは色々な話をした。
平和島さんは、確かに見た目は怖いかもしれないけど、私が思っていた通り、やっぱり優しい人だった。
そして、弟さん想いで、甘い物が好きだという可愛らしい一面がある事も解った。
人は見かけに寄らないって言うけど、まさにその通りだよね。

別れ際に、平和島さんにお礼を言うと、彼は少し照れ臭そうにしながら「礼には及ばねぇよ」と言って片手を上げた。
その仕草が何だか格好良くて、私は少しどきっ、としてしまった。
背の高い男の人って小さな仕草でも様になるのかな。

「それじゃ、これで失礼します」

と私が言ってその場を去ろうとすると、「珠音」と平和島さんに声を掛けられた。

「あのクソノミ蟲野郎…臨也に何かされたらすぐに言えよ。俺がすぐにアイツをぶっ飛ばしに行っからな」

そして、彼は一旦口をつぐんでから、少しだけ迷った後にこう言った。

「俺は…その、こういう体質だからよ、人と話すとすぐにブチ切れる。でも、お前と話しても、俺は全然イラつかなかった。だからその…なんつーか……ありがとな」

私は嬉しかった。
自分が特別扱いされたからじゃない。
ただ単に、彼が…池袋で最も恐れられている平和島さんが、自分の気持ちをちゃんと伝えてくれたから。
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