×8!!〜
□50.あの街で待ってるから
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臨也さんと公園で話をしてから、私達は何処か泊まる場所を求めて街を歩いた。
こんな時間だから電車もバスも動いておらず、帰る事が出来なかったのだ。
とは言え、普通のホテルもこんな時間では入れてくれないような気がする。
どうするんだろう?
すると、目の前を歩いていた臨也さんが、いきなり立ち止まった。
「…あのさ」
臨也さんが私に背を向けたまま語り出す。
「……君は、今夜泊まれるなら何処でも良い?」
「…は?」
イキナリ何を言い出すんだろう?
「質問に答えてよ」
「あ……はい、まあ、場所があるなら、どんなとこでも……」
そんなにボロボロじゃなかったら、と私は心の中で呟いた。
「……そう。じゃあ、絶対に文句は言わないで、黙って俺について来て」
「?はい」
臨也さんは何をそんなに躊躇っているのだろうか。
首を傾げていた所、ふいに右手に温かいものが絡まった。
え?
見ると、臨也さんが私の手を握って歩き出している。
しかも、所謂恋人繋ぎとかいう奴で。
なっ…ななななに考えてるのこの人ッ。