和稀...dream....

□幸運
1ページ/5ページ



智也「ちょっ、おいどこ行くねん、王将は?」


「悪いともやん、パス!!!ほな!!」



電話を切るとすぐ、ギターをかついでスタジオを飛び出した。走って向かう。












あの子が、俺を待ってる。








指定された場所に行くと、名無しさんちゃんがいた。俺に気付くと駆け寄ってきた。







「和稀さんっ」


「名無しさんちゃん、どうしたん……ですか?急に助けて欲しいなんて」


「タメ口でいいです、和稀さん年上だろうし………あの、お願いがあって」


「えっ、なに?」


「………"私の好きな人"になって欲しいんです」


「………どういうこと?」



名無しさんちゃんが説明し始めた。彼氏のこと、別れ話のこと、俺に頼るしかないこと。



「涼平さんには、一応、まだ友達って言ってあるんですけど、和稀さんも私に気がある風にして欲しいんです。そうしないと、諦めてもらえない気がするから」


「…………うーん、なんかよくわかんないけど、わかった!協力する」


「ありがとうございます!あの、涼平さん待たせると悪いんで、いいですか?」


「おうっ」



気がある風、ってのはちょっとツッコミどころあったけど、まあ今はいいか。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ